本郷新記念札幌彫刻美術館 館長
吉崎 元章
1962年北海道苫前町生まれ。北海道教育大学札幌分校特設美術課程卒。1986年から札幌芸術の森に勤務。1990年開館の札幌芸術の森美術館に準備期から学芸員として関わり、2008年から副館長。札幌の画家や彫刻家の回顧展、札幌の美術の歴史や現状を紹介する展覧会を多く手がける。2018年から札幌文化芸術交流センター SCARTS プログラムディレクターを経て、2021年から現職。国際美術評論家連盟会員。
美術学科 教授
平向 功一
美術学科 講師
吉田 潤
吉崎
近年、ビジネスリーダーが積極的にアートを学ぶ傾向がありますが、これは「論理的思考の限界」を感じているからでしょう。 皆がマーケティングをしっかりと行い、膨大なデータを基に分析して正解を導き出そうとしたならば結局は、同じような商品、同じような経営戦略に行き着いてしまい、差別化ができなくなる。そこから脱却するために必要なのが、アート的な「鋭敏な感性による発想の飛躍」です。
吉田
私自身、学生時代は「自分が描きたいものを描けばいい」と思っていました。しかし、社会に出たときに初めて、自分の作品が社会とどう接続するのか、どんなメッセージを持つのかを深く考えるようになりました。 大学という場所は、技術を磨くだけでなく、そうした「社会との接点」を思考する場でもあります。作品を作るということは、単なる自己表現を超えて、他者や社会とコミュニケーションを取る装置を作ることでもあるんです。
吉崎
そう考えると、芸術大学はアーティストを育てるだけでなく、これからの社会で生き抜くための「人間力」を育てる場所だと言えますね。
吉田
その通りです。そのために必要なのが「失敗」です。 私は学生に、「本気の失敗には価値がある」と伝えています。でも、制作を通して失敗し、傷つき、そこに 「かさぶた」ができると、次はどうすればいいかを深く考えるようになります。その「かさぶた」の厚みこそ が、社会に出たときの打たれ強さになり、ビジネスでも人生でも応用できる力になります

平向
美術を学んだからといって、全員が画家になるわけではありません。しかし、ここで培った課題解決能力は、どんな職種でも活かせます。「なぜこれを作るのか」「どうすれば伝わるのか」という問いを立て、形にしていくプロセス。これは、企画職でも営業職でも、あらゆる仕事に通じる本質的なスキルです。
吉崎
AIが進化すればするほど、「人間らしさ」の価値は高まります。芸術大学で学ぶということは、正解のない問いに向き合い続け、自分なりの答えを導き出すトレーニングを積むということ。それは、不確実な未来を生き抜くための、最強のキャリア教育なのかもしれません。
撮影場所:本郷新記念札幌彫刻美術館


芸術学部 美術学科
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